戻る

注意!

 

このSSにはクドわふたーの重大なネタバレが含まれます

 

苦手な方、未クリアの方は戻るより戻る事を

「ぼくはすいせんします!わふ〜」

 

「ノープログレム、予定の範囲内よ」と方は

スクロールしてお読み下さい

 

「わあ!?どうしたの恭介!?」

「……俺だけ…呼ばれなかった…」

「わふ?」

「何に?」

「棗ブラザーズ(21)のメンバーで俺だけ呼ばれなかった!!」

「ああ、クドわふたーにか」

「てっきりお前も出ないと踏んでたのに…まさか最後で…ちゃかり出るなんて!

!」

「いやいやいや、知らない人も居るからね!?」

「能美が三人分の声を出していたのはいいとしよう」

「わふ!ぼくの事知らない人はなんの事だか分からないよ!」

「クド!じゃない架夜!?」

「名前を出したな理樹!つうか兄ちゃん悲しいよ!

真人の名前は声有で呼んだのに!俺の名前が出ないのはどう言う事だぁ

いっそ理樹フルボイスでもよかったじゃないかぁ!

PSPでクドアフターとして出すんですよねわかります!」

「うっさい馬鹿アニキ!本編が始まらんだろ」

「急に鈴になるなんて…卑怯だ……」

 

 

「クドさんからメール来たよ!」

 

そう言いながら教室の俺の席に駆け込んできたのは幼馴染みで…い…一応、俺の

彼女…

ロケット部現部長のしぃこと有月椎菜だった

 

「そんな大声出さなくても聞こえてるよ!馬鹿しぃ」

「む、そんな事言うけー君にはメール見せないよ?」

「う」

 

それは、その…困る

 

「返事は?」

「…ごめん」

「よろしい!」

 

得意気に腰に手を当てて胸を張る

その手にはロケットのストラップが付いた携帯が握られていた

 

「で、なんだってクドさん」

「うん、久々に日本に帰って来るんだってさだからパーティーのお誘い」

「本当かよ!」

「ん〜けー君、私より喜んでない?」

「ば、そんな訳ねぇだろ!」

「本当かな?」

 

そっぽを向いた俺の顔を横から覗こうとするしぃ

今、見られたら多分発火する

急いで話しを逸らすとしよう

 

「で、いつ帰って来んだよ」

「ん〜今日」

「今日!?」

 

言うのがおせぇよ馬鹿しぃ!

 

 

『クドわふアフター!ちょぴり先の未来へ』

 

 

「パパ、まだかな〜」

「ん〜、もう少しだと思うんだけどな…」

 

架夜を肩車しながら駅前に立つ僕ら

今日はクドが久々にこの街に帰って来る日だ

3日前ぐらいに僕のノートパソコンに届いたメールを見てから架夜は今日を心待

ちにしていた

 

「架夜、ママ見つけたらすぐ教えてね」

「うん!」

 

そう言って小さなマントを揺らす架夜

頭に載せてるクド譲りの帽子を手で押さえて辺りを見回していた

やがて…

 

「ん〜、わふ!ママだ!おーい!わふ〜〜!」

 

架夜がクドを見つけた方を見てみると確かにそこに僕の愛しい奥さんが立ってい

 

「か〜や〜、リ〜キ〜、ただいまです!」

「お帰りなさいママ!」

「お帰り、クド」

 

僕らを見つけるなり走り寄って来たクドを受け止める

もちろん、架夜を落とさないようにしながらだ

こんな芸当が出来るのは日頃の筋肉のおかげだ

さすが筋肉だね

 

「リキ?今、筋肉に付いて考えてますね!」

「え、なんで分かるの!」

「顔に書いてあります」

 

顔に筋肉なんて書いてあったら嫌すぎる

 

「嘘ですよ、リキの考えてる事はなんでもわかるだけですよ」

 

そう言って短いキスをして来た

昔よりも少しだけ開いた身長差を爪先立ちで埋めながら

 

「わふ〜、ぼくも〜ぼくも〜!」

「わふ、わかってますよ、My Sweet Daughter」

 

そう言いながら架夜を僕から下ろしてキスをする

 

「あ!居た〜クドさーん!!」

「「わふ!?」」

 

唐突な声に二人してびっくりする

なぜか僕には一瞬4個の犬耳が見えた

 

「待てよしぃ!」

 

声の主は勢いそのままクドに抱きついた

 

「お帰りなさいクドさん!」

「わふ〜ただいまです椎菜さん」

 

あの頃と変わらず元気な椎菜ちゃんは今ではクドの身長を追い抜いていた

 

「わふ!今、リキ失礼な事考えましたね!!」

「え、全然考えてないよ」

 

僕の奥さんはいつまでもちっちゃくて可愛いなぁなんてこれっぽっちも考えてな

はず…

 

「そう言えば、椎菜さん、初さんは元気ですか?」

「うん、相変わらずうるさいけどね」

「誰がうるさいって?」

「う!?」

 

恐る恐る振り返る椎菜ちゃん

その後ろに腕組みする有月さんが立っていた

 

「お、お姉ちゃん?!なんで」

「俺がメールしといたんだよ」

 

そう言ってけー君が携帯をヒラヒラと見せ付けた

 

「うぅ…けー君めぇ…後で覚えてろよ!」

「ほら!バカップルしてないで直枝さんから退きなさい!」

「おっと!抱き倒したの忘れてたよ、ごめんなさいクドさん」

「大丈夫ですよ、ココナッツのせいでこういうのは慣れてますから」

「すみません、それと…お帰りなさい」

「ただいまです、有月さん」

 

差し出された有月さんの手を取ってクドが立ち上がる

 

「それじゃ、みんな待ってるしそろそろ行こうか?」

「「わふ」」

 

 

「あ、クドリャフカ!お帰りなさい」

「おっ帰りクド公!」

「元気そうじゃねぇか!」

 

数学教師をやっている葉留佳さんと体育講師の真人の計らいで借りた母校の食堂

で3人に迎えられて中に入る

 

「お帰り、の…じゃなかった直枝さん」

「わふ、部長もお元気そうで何よりです」

「もう部長じゃないからその呼び方はどうかと思うけどね…

あら、架夜ちゃん?おっきくなったわね〜」

 

架夜を抱き上げながら部長…元部長が言う

 

「はぁ〜時の流れを感じるわ…

そりゃ歳もとるわよね…」

「あーちゃん先輩はいつもそう言ってますよね」

「かなちゅんと違って私は苦労してるのよ」

「かなちゅんって呼ばないで下さい!」

「え〜、可愛いと思ったのになぁ」

「え、葉留佳が考えたの!」

 

横で口を尖らせる葉留佳さんに目を丸くして驚く二木さん

 

「…かなちゅん?」

「…う…なんですかあーちゃん先輩…」

「お、反論しない。架夜ちゃん、今度から佳奈多お姉ちゃんはかなちゅんお姉ち

ゃんって呼んで上げてね」

「うん」

「ちょっ」

「かなちゅんおね〜ちゃん!」

「っ!?」

「にゅふふふ」

 

架夜に名前を呼ばれて真っ赤になる二木さんを見ながらにやりと笑う元部長

 

「わふ、架夜楽しそうです」

「うん、そうだね」

 

みんなの真ん中で笑う小さな『クド』を寄り添って見守る僕ら

その姿はいつかの夜に描いた未来図そのものだった

 

「ところで他のみんなは?」

 

この場に来ていない他のリトルバスターズのメンバー達の事をそれとなく真人に

尋ねた

 

「ん?ああ、鈴と小毬は後で来るって連絡があったぜ

謙吾は剣道部の合宿で山籠り中だから連絡が付かなかった」

「ああ…謙吾携帯持ってないもんね…」

 

謙吾は今、実家の道場を継ぎながら剣道部OBとしてコーチをしている

 

「全くあいつは、こう言う時に困るから持っとけつうのによ」

「わふ、宮沢さんらしいと言えばらしいですけどね」

「んで西園と来ケ谷は海外で今日に間に合わないとかで詫びにとなんか送って来

たぜ」

 

そう言って渡された箱には

『これを着て架夜君の姉妹(これ重要!)づくりに励むといい』

などと書かれていた

 

「ぶ!」

 

文章だけで中身を見る気を無くされた

なにも()書きまでしなくても・・・

 

「ところで恭介は?」

「ん、小毬と一緒だろ、なんたって…」

「待たせたな理樹!」

 

そう言いながらドアを開け

恭介が颯爽と

 

「邪魔じゃ馬鹿アニキ!」

「ぬぁ!?」

「ほわ!大丈夫パパ?」

 

鈴に蹴られ小毬さんに心配されてるし…

 

「鈴さん、小毬さん」

「クド、お帰り」

「クーちゃんお帰りなさい」

「ただいまです、わふ?」

 

クドの視線が小毬さんの後ろに隠れてる少女に留まる

 

「わふ!毬子さんですか?大きくなりましたね!」

 

小毬さんの後ろから小さな小毬さんこと毬子ちゃんが顔を出す

その眼差しは少々父親似の様だ

 

「えっと」

「毬子ちゃん、お帰りなさいですよ〜オッケー?」

 

膝を折って目線をあわせて促す小毬さん

その姿はすっかりお母さんだ

 

「ううむ、よく帰って来た」

 

……毬子ちゃんの口調が妙なのは父親の影響だろうか…

 

「わふ、まーちゃんだ!」

「架夜、お早う」

 

よく真人のところで遊ぶ二人はすっかり仲良くなっていた

 

「小毬ママ、架夜と遊んで来ていいか?」

「うん、オッケーだよ。パーティーの準備が出来たら呼ぶからね?」

「うむ、行こう架夜」

「わふ!」

 

そう言って架夜の手を引いて外へと駆け出して行った

 

「たく、ちび恭介もちびクー公も元気だな」

「そうだね」

「まぁ、俺の教育の賜物だな」

「小毬さんのでしょ?」

「さて、パーティーの準備をしようか!」

 

誤魔化したな…

 

 

「架夜ー毬子ちゃーん、パーティー始まるよー!」

「「はーい!」わふー!」

 

僕の声に二人が戻る

二人が席に着いたのを確認してから恭介が乾杯の音頭を取る

 

「そんじゃ、能美、じゃなかった直枝宇宙飛行士の帰還を祝って」

『乾杯!』

 

皆で一斉にグラスを高々と上げる

 

「ねぇママ!うちゅうってどんなだった?」

「あ!私も聞きたい聞きたい!」

 

架夜の質問に椎菜ちゃんも一緒に飛び付いて来た

 

「わふ…そうですね、やっぱり…まずは綺麗でした」

 

どこか遠くを見るクドの瞳

きっと宙から見たこの星が映っているのだろう…

 

「それから…とても楽しかったです」

「いいな〜、クドさん、私もなれるかな?」

「もちろんです、椎菜さんは立派な星屑仲間じゃないですか!」

 

そう言って右手を振り上げた

興奮するとこのポーズをするのは昔からの癖の様なものだろうか

最近、架夜もやるようになって来た

 

「ぼくもママみたいになりたい〜」

「わふ、大丈夫ですよ架夜。

あなたには3人の星屑(スターダスター)の血が流れてますからね。

ねーリキ?」

「うん、架夜はきっと立派な宇宙飛行士(コスモナーフト)になれるよ!」

 

なんたって僕とクドの娘だからね

 

「しぃもうかうかしてると追い抜かれちまうぜ?」

「むー、ちゃんと資格の勉強してるもん!」

 

勉強だけな、とふざけるけー君にとっかかる椎菜ちゃん

何だかんだでとても仲がいい様だ

勝手にけー君の気持ちを椎菜ちゃんに教えたのは良いことだったようだね…

 

「リキ…」

「ん?どうしたのクド」

 

不意にクドが僕の肩に頭を預けてきた

 

「わふ…リキとこうするの久しぶりです、わふ」

「そうだね…」

「ずっと我慢してたんですよ」

「僕もだよ、ずっとクドと触れ合いたかったんだからね」

「くす…リキは甘えん坊さんですね」

「むう、さきに甘えん坊になったのはクドでしょ?」

「わふ〜聞こえませ〜ん」

 

そう言いながら頭を擦り付ける

 

「…リキ、ふー・あむ・あーい?」

 

その言葉はわざとあの頃の様にズレたイントネーションで紡がれた

 

「…My Sweet wife」

 

薬指の証を見ながら答える僕

クドも同じ様にそれを見つめながら答えた

 

「わふ、大正解です」

 

満面の笑みでそう言うクド

 

「私は、いつだってリキや架夜、皆さんがいるこの街に帰って来ます」

「うん…」

「だから、ちゃんと待ってて下さいね?」

「うん」

「ぼくもまってるーわふー」

 

いつの間にか膝に座っていた架夜が言う

 

「ふふ、わかってますよ、私の可愛い小さな星屑さん」

「わふ!」

 

そう言って頭を撫でる

その笑顔はいつか僕が失ったあの暖かい笑顔によく似ていた

 

「クド、架夜、愛してるよ」

「「わふ…ぼくも」私も」

「愛してますよリキ」「あいしてるよパパ」

 

キミの翼、未来へ届け

END

 

 

 

 

 

あとがき

問う言うわけで、クドわふアフターでした

いてもたってもいられず本能だけで書いてしまいました・・・

なんとなく思いついた事をつらつら並べただけで何が書きたかったのか・・・

あれです、架夜が書きたかっただけですね、はい

毬子の父親、当初某サイトさんに習って謙吾にしていたのですが・・・

毬子の性格確認に読み直してみたら・・・お、これだと矛盾するのか!?

的な台詞を発見、ならばと本編中で一番しっくり来る恭介にしてみました・・・

・・・ふらふらしたのか、抱っこで・・・恭介

冒頭の部分はー未来に届け、でいきなり民安さんの声が聞こえてきた時の趙伯が

真っ先に思いたった事です・・・

さて、次回は、16回戦を何とか・・・

 

面白かったと思った方は押してくださるとうれしいです。

 

戻る

 

inserted by FC2 system