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 注意

このSSはとあるkey作品をベースにしてあります

故に、ネタバレオンリーになるのでご注意ください

(実際のシナリオとはかなり変わってますが、

まぁ、あくまで猫だからね)

 

 

 

久しぶりだな…

 

あたしだ、棗鈴…猫呼んでラブスナイパーだ…

 

久々に帰って来たが、また会えるとはな…

 

それじゃあ…今夜は旅先でのあたしの武勇伝を話そうか

 

 

『帰って来たラブスナイパー物語』

 

 

エクストラ1

風の吹くまま旅をしていたあたしはとある町で二匹の猫に絡まれた

一匹は何と言うか…馬鹿面のとら猫

それがあたしに向かって威嚇して来た

もう一匹はそれを見て呆れ半分で楽しんでいたな

まぁ、取り敢えず主従関係をはっきりさせるため、軽く見つめてやった

あっという間にとら猫の方が擦り寄ってくる様になった…

もう一匹の方もあたしに対する警戒をといてくれた様だ

あたしは二匹に、ギンガとヘタレと名付けてその町での最初の仲間にした

これから話すのはそのギンガの周りに居た猫達の話しだ

 

 

ターゲット1

ギンガ達の集会場であたしは、一匹の子猫と出会った

何故か出会った途端にあたしにくわえてたヒトデのキーホルダーを渡して来た

よく見ててみると、他の野良達にも渡している様だ

私の視線に気付き、何かを思い出した様に駆けて来て事情を説明してくれた

何でも、今度大の猫好きな飼い主が結婚するらしくその結婚式にみんなに駆け付けて貰いたいらしい

あたしは必ず行く事を約束したが、どうにもその猫の様子が変だった…

集会場からいなくなった所を見た事がなかった

気になり、そんな猫好きならお前が帰らない事を心配しているはずだと諭してみた

しかし、返って来た答えは

家に帰れないから…こうしてるのだと思う…

その時のそいつの顔はとても寂しそうだった…

ここはあたしの出番だ

あたしは、その飼い主の家に行ってみた

そこであたしは見てしまった

そいつの…墓を…

あたしはすぐに飼い主に確認を取った

何でも、1週間程前に交通事故でだったそうだ…

あたしは結婚の事も聞いてみた

そんな事があり、とてもじゃないがそんな気になれず延期してるそうだ

あたしは…あいつの思いを汲んで飼い主に結婚を薦めた

あたしの熱意が伝わったのか、結婚をすることを決めてくれた

あたしはそこで集会場の近くの教会を薦めた

快く受け入れてくれた飼い主に礼をし、その場を後にした

集会場に戻ったあたしはみんなにその事を告げた

しかし、何故か関心が低い

たしかあいつがキーホルダーを渡す時にちゃんと伝えているはずだ

ギンガも同じ様に感じていた様であたしに聞いて来た

そこで取り敢えずヘタレに確認してみた

ヘタレから返って来た答えは

そいつ、誰? だった…

私とギンガは急いで子猫を探した

子猫は集会場の一角で丸くなっていた

確かにあたし達はこいつからキーホルダーを貰って、話しを聞いていたはずだ

あたしはそいつにこの状況について聞いた

返って来た答えは

自然な事…だんだん忘れていく…

みんなは、ついにはこいつの存在にすら気付かなくなっていった

それでもあたしとギンガは忘れなかった…

せめてあたしとギンガだけでも結婚式にでることにした

結婚式の前夜、あたし達は結婚式の準備をした後で一人と2匹で教会で過ごした

朝になると、あいつが消えていた…

あたしとギンガの記憶からも…

教会から出たあたし達の目に信じられない光景が飛び込んで来た

町中の野良猫が教会に集まっていた

不思議に思い中に居たヘタレに聞いてみると

寝床で拾った覚えのないキーホルダーを見つけてそれを見てたら何故かここにこないといけない気がしたらしい

そのキーホルダーを見た時、あたしはあいつを思い出した…

いつの間にか後ろにあいつが居た

あたしはそいつに言った

お前の思いはちゃんと届いていた…と

あいつは満足そうな顔をして消えて行った

沢山の猫達に囲まれた結婚式が始まり

最後に教会から外にでた飼い主の前に

あいつは現れて言った

お姉ちゃん、結婚おめでとう…

その一言とともにキーホルダーを渡して姿を消した

私達の心にこの結婚式は強く残った

ただ、その後もちょくちょくあいつは集会場に現れる

 

 

ターゲット2

ギンガ達の集会場におっとりした猫がいた

どっかの飼い猫だったようだがいつの頃からか集会場に顔を出すようになったそうだ

これはそんな猫の話しだ

そいつは楽器が好きで、集会場の近くの教会の裏に捨ててあったバイオリンを見つけて持ってきた

珍しい事をする奴だなと思っていたら突然弾き始めた

その音色は…もう、めちゃくちゃいやくちゃくちゃな物だった

あまりのくちゃくちゃさに聞いていた猫達が次々に倒れていく…

あたしは何とかそれを止め、バイオリンを一時封印した

しかし、変な物に興味を持つな?と理由を聞いてみた

何でも昔居た家でよく飼い主とバイオリンを弾いて遊んでいたそうだ

バイオリンを見ると昔を思い出すらしい

そういう事なら、仕方ないとあたしはバイオリンを返してやることにした

しかも、もうすぐそいつの誕生日らしい

あたしは捨ててあった物故所々傷んでいたので修理にだしてからと思ったんだが

修理費が高く困ってしまった…

そんな時に野良達が町中から落ちていた小銭を集めて来てくれた

さらにこの前の子猫の飼い主も協力してくれて修理に出すことが出来た

楽しい誕生日になるだろう、そう思っていた矢先…それは起きた

あたしがみんなと散歩をしてた時、道で死んでいる猫を見つけた

どうやら車に跳ねられたらしい

あたしはその猫を弔ろうと歩み寄った時

後ろから車が来た

何とか避けたのだが、その時猫達の方から異常な泣き声が聞こえて来た

見ればそいつがしゃくりあげるように泣いていた

あたしは大丈夫だ、心配ないと言っても一向に泣き止まない

暫く時間が過ぎてやっと泣き止んではくれた

たが、その顔からは生気が消えていた

次の日から、そいつが集会場に来なくなった…

あたしとギンガは心配になり、そいつが元居たという家を探しにいった

少ない情報に苦戦しつつも、あたし達はそこにたどり着いた

そこは…空き家だった

玄関前や広い庭は雑草が鬱蒼と生えていて

まるで人が暮らしている気配がない…

あたし達は一気に心配になり中に入った

庭の窓から中には簡単に侵入出来た

二階建ての家の一階を隈なく探す

家の痕跡は家主が突然いなくなったのだと言うことを粒さに語っていた…

一階にはそいつは居なかった、あたし達は残る二階を見に上がった

すると微かに猫の息遣いが聞こえた

あたし達は聞こえた部屋に入った

そこはどうやら飼い主の書斎のようだった

その床に一匹、ぽつんと丸くなっていた

あたしはそいつにかける言葉が見当たらなかった

そいつの方から事情を説明してくれた

なんでも、何年か前の誕生日の日に

仕事で出張に行った飼い主の乗った飛行機が墜落したらしい

だから事故に敏感に反応したのか…

突然入った出張にそいつはふて腐れてつい飼い主に嫌いだと言ってしまったそうだ

その事を、ずっと悔やんでいる、こんな思いをするならば…友達なんていらないそう言っていた

あたし達は言葉が見付からずその場を後にするしかなかった…

家を出たあたし達は、どうすればいいのか解らずにいた

………いや、ここであたしが諦める訳にはいかない

あたしはラブスナイパー、何とかして見せる

あたし達はその日から庭の整備を始めた

雑草を抜き、錆びたテーブル等を綺麗にし

新しく花を花壇に埋めた

最初一人と一匹で始めた事だったが

次々に集会場の猫達が手伝ってくれるようになり

誕生日の前日には見違える程に綺麗になっていた

明日の誕生日会の準備に散り散りになった後一人残って仕上げていたあたしの前に

そいつは久しぶりに顔を見せてくれた

そこであたしは考えていた言葉を伝えた

お前の為にあれだけの猫が協力してくれた

上手く言えないが、別れを恐れて出会わないのは…悲しい事だ

だから、あたしと一緒に外に出よう

外には沢山の出会いがまっているから

それに、飼い主だってそんな姿を見たら心配するだろう

だから、一緒に行こう

その言葉でそいつは立ち直ってくれた様だ

翌日の誕生日会は町中の猫が集まり祝った

とても嬉しそうなあいつの顔が今でも心に残っている

その後、そいつは群れ一番の友猫思いになった

 

 

ターゲット3

ある日ギンガ達の集会場に他所の野良猫の集団が襲撃してきた

あたしは調度モンペチを買いに行っていた時で突然現れた子猫に教えられて急いで引き戻った

集会場に着いたあたしの目に飛び込んで来たのは山になってのびている他所の野良猫達とその上に居た一匹の猫だった

ギンガに聞くとそいつが一人で片付けてしまったらしい

これはそいつの話しだ

その頃、当たり一帯を一匹の野良猫が仕切っていた

そいつが随分嫌な奴で好き勝手やっていたんだ

そこでそいつが新しい長になる為に行動していた

あたしも今の長に灸を据えてやるためにそいつに協力する事にした

だが、なかなかそいつも強く上手く行かなかった

しかし、そいつは諦めなかった…

どうしてそこまでするのか、そいつに聞いてみた

この町には大層綺麗な桜並木の道があってそこを自分助けるために怪我をした弟猫を背負って歩いたそうだ

その時に、弟猫に桜が綺麗だねと聞かれたが感極まり言葉が出なかったらしい

その言葉をその下で元気になった弟猫に伝えたい…そう思っていた矢先にその桜並木に悪戯をする猫達が現れた

それが今の長の下部だったようだ

見付けては制裁を加えていたがいたちごっこになってしまっているらしく

根本である長自体をどうにかする為に新しい長になる事を決意したそうだ

成る程、そう、そこであたしの出番だ

あたしは手始めにギンガ達に事情を説明した

そして長に相応しいのは誰かと言う話しを広め始めた

話しは瞬く間に広がり、町の殆どの猫が今の長に疑問を持つようになった

そして、運命の日を向かえた

最後の挑戦の日、町中の猫が集まり、奴に威嚇を仕掛けた

さすがの奴もそれには耐え切れず、そいつに長を譲るに到った

そいつは、これでは卑怯だったのではないかと疑問を持っていたからあたしは言ってやった

みんな、お前を好きになったから力を貸したんだ

長に求められるのは力だけじゃない、重用なのはみんなに信頼され愛される事だ、と

今でもそいつは町の長を立派に務めているはずだ

 

 

ターゲット4

ギンガ達の集会場で、あたしは双子の猫に出会った

姉妹猫で、姉猫は気が強く、妹の方は気が弱い奴だった

姉猫は妹猫を溺愛しててな、妹猫が他の野良に絡まれるとこをみた途端に器用に尻尾でそこらに落ちていた分厚い本を投げ付けていた

もう、妹猫の為ならなんでもするって感じだったな

一方の妹猫は、ギンガに憧れていた…

姉猫はあたしと協力して妹猫をギンガとくっつけようとしたんだ

しかし、ギンガにはすでにつがいが居た

そいつの事は後で話すが、とにかく妹猫の恋は終わってしまった

その時、姉猫が…泣いていた

自分でも無意識だったようだが涙をながしていた…

どうやら、ギンガに想いを寄せていたのは妹だけじゃなかったようだ

大好きな妹の為に自分の想いを犠牲にして今までやっていた様だ…

そこであたしの出番だ

お前らは自分に素直でいろ、それが一番いい

そう伝えてやった

次の日からも、そいつらはいつもと変わらず過ごしていた

どうやら振り切ってくれたらしい

ギンガに言わせれば二人とも親友らしいが、罪作りな雄だ…

 

 

ターゲットファイナル

さて、色々と話して来たがその町での最後の話し…

そう、ギンガとそのつがいの話しをしようか

二匹の出会いは集会場の入口に続く坂の下だった

親猫に捨てられ、一匹逞しく生きて来たギンガが集会場に顔を出す為に来た時にそいつはそこで立ち止まっていたらしい

その横をすり抜けようとした時横から

あんぱんっと言う声が聞こえて来た

横を見ればそいつがなにか決意したような顔で一歩踏み出そうとしていた

それを見て、つい立ち止まってしまった

そしてそいつは続けた

この集会場は好きですか…私はとても大好きです

それはギンガに向けられた言葉ではなかった、自分に向けて諭すように話していた

でも、なにもかも変わらずには居られません

楽しかった事も、なにもかも

そこで、ギンガはつい言ってしまったらしい

なら、新しい事を見付ければいい…と

その出会いの後親しくなった二匹は色々な事を乗り越えてつがいになった

最初は弱かったそいつもだんだんと自分に自信を持つようになっていった

そんな中で、二匹の間に子猫が出来た

しかし、体の弱かったそいつには、出産は難しいと獣医に言われた

だが、そいつは産む事を決意していた

弱かった自分が母猫として始めにやるべき事なんだと…

ギンガも、その想いに答えて出産を決意した

だが…一匹の子猫を産みそいつは息を引き取った…

その事に、ギンガは壊れてしまった…

一日中狩りをして寝る、その繰り返しの日々を送るようになった

そいつに瓜二つの子猫から逃げるように…

そこであたしの出番だ

あたしはギンガに言ってやった

お前は、自分と同じ想いをこいつにも強いる気か!

お前にとって、あいつしか居なかったのと同じ様に、こいつにはお前しかいないんだ、と

あたしの言葉をわかってくれたのか、ギンガは子猫を抱きしめていた

それからはギンガかなりの親バカになったが、あいつも天国で見て安心して居ることだろう

 

それを見届けて、あたしはその町を後にした

名残惜しかったが、どこかであたしを待っている猫が居る

 

あたしの名前は棗鈴…猫呼んでラブスナイパー

落とした猫は数知れず。

 

次の町での出会いは、また今度の夜に…

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「風子死んでしまったことになってます!」

「いやいや、悪魔で猫の話しだから…ね?鈴」

「………ヘタレの存在価値はあったのか?」

「ありますよ!失礼な子だな!」

「うっさい!」

「痛ぁ!なんで僕蹴られたんですかね!岡崎も何か言ってやってよ!」

「お前、ヘタレが自分の事だと認めてんのな」

「え!?」

「「…………」」

「最悪です!」

「風子が締めるのか!?」

 

END

 

 

あとがき

というわけで、帰ってきたラブスナ『人生編』でした。

なんか後半の三人(特に双子姉妹)がかなり薄口な出来上がりになってしまいましたが

違うんだ、聞いてくれ、渚の話を載せるにはこれしかなかったんだ!

大体、TV版もこんな感じでしたし・・・というか、はい、TV版をベースにしました。

だって、杏のシナリオ・・・無理じゃね?猫にするとか・・・(なら最初からやるなって話ですがね)

とりあず、藤林姉妹と直幸さんに謝罪して締めようと思います。(風子は無視ですか!?)

さて新年一発目は・・・未定です

 

 

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