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注意

 

このSSはクドルートEND後を想定して書いています

まだクリアしてないという方は読まない方が良いでしょう

また、一部にRefrainルートに関するネタバレちっくな点があります

それでもいいという方はスクロールしてお読み下さい

  

 

 

 

 

  『ばっく・とぅ・ほーむ・いん・とゅぎゃざー・ざ・りき』

by能美クドリャフカ

 

 

 

 

 

クドがデヴアから戻って来たその日の夜

理樹はクドの家に招待された

 

「ここが クドの本宅?随分でかいね」

 

よくTVに出てくる 任侠一家の家のようだ

「リキ?どうしたですか?」

「いや なんか入っていいのかなって」

「わふ?のーぷろぐれむですリキ

 おじいさまは怖い人ではないのです!」

 

クドから聞いてるかぎりじゃ日本好きな孫想いのいいおじいさんのはず

うん きっと大丈夫!(なにが)

 

「そうだね 行こうかクド」

「わふ」

 

 

 

………クド、僕失念してたよ

クドについておじいさんのいる部屋に通された僕は 思わず背筋を伸ばした。

だって 凄い形相の老人が長いちゃぶ台の向こうに居座っていらしゃられたから、

て、思わず敬語まで出てしまった。

そうだね クドはかわいい孫だけど、

僕はその孫を取っていってしまいそうな男だ、

そりゃ、心中穏やかじゃないよね…

クドは横でいつもと変わらない笑顔でいるし、きっとこのいたたまれなさは僕だ

けが感じてるんだな

 

「小僧…名は」

「えっ あ、な 直枝理樹です!」

「理樹か…」

 

びっくりしたぁ やっぱヤ○ザなんじゃ

て、そんな訳無いよたしか前にクドから商会か何かだって聞いたはず

うん、その…はず

 

「リキ、おじいさまは昨日

 TVで仁義なき○いを見てたのですよ」

 

え? じゃあれって成り切ってるだけ?

かなり貫禄が滲み出てるのに?

 

「成る程 クドリャフカから聞いておった通りのようじゃな」

「え?」

「優しそうでなによりじゃが もう少し逞しいと申し分ないじゃがな」

 

気に入ってくれたのかな?

 

「そうなのです!リキはとても優しいのです

私の自慢の彼氏なのですよ」

 

うぁ自慢とか言われるとかなり恥ずかしい

 

「理樹君!」

「は、はい!」

「うちの孫をよろしく頼むよ」

「はい!」

「おじいさま!そんな…気が早いのです」

 

ん……どういう意味?

 

「娘達にはわしからも言っておくが

やはりちゃんと挨拶すべきじゃな

式場は

 

式場!?

話しが飛躍してる!!!???

 

「おじいさま!リキが困ってます!」

「しかし、アレをしたんじゃろ?」

「わふ…確かにしましたが…」

「あの儀式をしたんなら、もう婚約したも同然じゃろ」

 

どの儀式だろ…多分あっちのだろうか

脳裏にあの夜の事が浮かぶ

互いの身体に模様を書きあうあの儀式

クド可愛かったなぁ……

 

「…キ、リキ!」

「ん、あっごめん考え事してた」

「リキは迷惑じゃ無いですか…」

「え、何が?」

「その…あの…私とけ…結婚するの…」

 

考える事間違えてた…

今は結婚……勘違い……クド?

何でそんな目で見てるの?

そんな顔されたら

 

「そんな事ないよ、僕はそれでもいいと思ってるよ」

「わ、わふ!?リキ!?そんな、まだ私達学生で、わふ〜〜」

「クドは嫌なの?」

「わふ…う…嬉しいです…」

 

かわいい…つい弄りたくなってしまう

 

「よし、よく言った!今日は泊まっていきなさい。

実は娘達を呼び寄せておいたんじゃ

明日には来るはずだからこの際挨拶を済ませてしまいなさい」

 

その後、やたら豪華な和食を食べながらおじいさんと盃を交わしたりした(もち

ろん僕はジュースだよ)

食事を済ませてこれまたやたら広い風呂に入って

お手伝いさんに連れられ寝床まで来て言葉を失う…

 

「わふ…リ、リキ…」

「えっと、部屋違いかな?」

 

違うか…やたら広い布団に枕が二つ…

 

「リキ…とりあえずこちらへ」

「あっ、う、うん」

 

布団の上でクドと寄り添いあって座る

かなり…気まずい

 

「リキ…」

「! 何かなクド?」

「えっと、その…久しぶりなので甘えていいですか?」

 

ぐはぁ!か…かわいい、抑えろ僕の理性

 

「う…うん、いいよ」

「わふ」

 

そう言うと僕の膝の上にちょこんと座る

ちょっ、そんな所に座られたら理…理性が

 

「わふ〜〜リキ温かいです…」

「本当に…帰って来たんだね…」

 

クドの温もりを感じて

それを実感する…僕の大事な人がここに確かに居るんだと

 

「わふ…もうどこにも行かないです…

ずっとリキのそばにいます」

 

そういうクドを後ろから抱きしめる

理性がどうこうとかもう吹き飛んでしまった

 

「リキ…」

 

どちらかともなく唇を触れ合わせる

 

「クド…その、僕…止まらないかもしれないよ?」

「…わふ……大丈夫です…もう一回してますから…どうぞ…お食べ下さいです」

 

その言葉に僕の中の狼に火が着いた…

そのまま僕たちは互いをただ求め合うのだった

 

 

 

 

「わふ…リキは相変わらずとても上手です」

布団の中横で眠るリキを見ながらそう呟いた

テヴアから無事に帰れたのは今回が初めてです…だから二度目は初めてです…

いつもは私はテヴアに行こうともせずに

お母様の公開処刑に絶望して終わります…

もしくは行っても捕まっていけにえにされて死んでしまいます…

こんな風にリキの横に居れるなんて

なんて幸せなんでしょうか

 

「ずっとこうしていたいです」

 

『それは無理だ…能美』

 

「もう少しだけ…駄目でしょうか」

 

『お前の舞台は終わりだ…わかっているだろ?』

 

「私達には時間がない…わかってますけど」

 

『だから…わかった、最期に一言伝える時間をやろう…その後は………』

 

「ありがとうございます」

 

そう…わかってる…です

これは夢…私が願った夢

でもリキが…願ってくれなかったら途中で終わっていた夢

私はあくまで小人

旅人は次の小人の夢に行かなければならない

だから、これで終わりにします

 

 

 

 

「リ……起き………」

 

クド?

 

「リキ…起きて下さい」

 

クドに揺すられて目を覚ます

 

「どうしたのクド?」

「リキ…」

 

どうも様子がおかしい

 

「なにかあったの?怖い夢でも見た?」

「いえ…とても幸せな夢を見せていただきました」

「クド?」

 

寝ぼけてるのかな?

言っている事がよく解らないや

 

「私は忘れませんから…次の夢でもよろしくです」

「ク…

 

あ、またか…ナルコレプシーだ

意識が…遠く…

ク…ド…泣いて………………………………

 

「さよならですリキ」

 

 

 

 

またいつもの朝が来ます…何度でも繰り返すいつもの朝が…

 

               End

 

        

 あとがき

クドルートの後、ループするまでのお話でした。

最初はあまあまの話を書きたかったですが途中でこのネタが思いつき路線変更・・・

クドはかわいいです。

その分ルート中のあのシーンが痛々しくて堪りませんでした。

 

 

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